GGJ2011に参加した感想

率直な感想として,非常に有意義で面白かった.

時系列に沿って,感想を記録したい.

ちなみに,僕は社会人ゲームプログラマで,

GGJ2011は,大学が会場で,学生が主催するイベントである.

参加までの経緯

BaNyakの事前放送をみて,思い切って申し込んだものの,

当日になってみると,正直少し邪魔くさくなっていた.

冷静になってみれば,学生の頃から,

学校の封建的な制度も,学生の軽いノリも嫌いだった.

それが嫌いで,大学院への進学も考えなかった僕が,

なぜ社会人で毎日仕事としてゲーム制作に関わっているにもかかわらず,

学生が主催で,大半の参加者が学生のゲーム制作イベントに

応募したのかと言えば,

それは,社外の活動に参加したかったからである.


4月で入社3年目を迎える僕が,最近考えることは,

自分の身の振り方である.

具体的には,今の会社にいるべきなのか,

そして,自分はどうすべきなのか,である.

自分の思っている不満を率直に言えば,

会社という年功序列ピラミッドの中にいると,

自分という人間は,いつになったらピラミッドの上の方に

いけるのだろう,とどうしても考えてしまう.

具体的に言えば,若い会社に移るべきなんじゃないか,

といった,身を置く世界への不信である.

しかし,なんだかんだ言って出した結論は,

別の会社に行って,同人まがいのゲームを作らされるのもかなわないし,

毎日の仕事はいろいろな意味で安定していて,

現在の環境は,すごく恵まれたものなんじゃないか,ということである.

その結果,自分はどうすべきなのか,

というやり場のないモチベーションが残っていて,

それが,社外の活動に参加する,という意識につながった.

その第一弾が,結果的にGGJ2011となったわけだ.

制作における自分の役割の決定

チームは,主催者側がバランスの良い形として,

すでに振り分けが済まされていた.

そして,社会人プログラマということで,能力を期待されたのか,

不本意ながら,リードプログラマとして,

チームに参加することになった.

なぜ,不本意なのかと言えば,

申し込みの段階で,リードプログラマを志望したわけでなかったし,

様子見程度というモチベーションだったし,

学生のイベントだから,社会人が張り切っちゃうのは

空気読めてないんじゃないか,と思ったからである.

制作が始まって

一日目から徹夜をして,一人でプロトタイプを作ることになった.

リードプログラマなので,納得して作業を請け負ったが,

実際やってみると,孤独に気を張るのは,正直なかなか辛かった.

出来上がってみても,ほんとにこれで大丈夫かなあ,という感じで,

達成感は100%でなかった.

まず,この段階で,会社のピラミッドの上の方に行きたい

という願望が,上の方は上の方で大変なんだな,という考えに変わって,

ひとつ現実を受け入れることができた.

二日目に入って

次の日は10時集合だったが,

徹夜明けで辛かったので,午後からの参加にさせてもらった.

ついてみると,他のプログラマ二人が,

(多少の指示をメールで送ったものの,)

自分たちで実装を進めていてくれた.

自分の作ったシステムをベースに,

自分の知らないところで実装が進んでいくというのは

不思議で面白い感覚だったし,

自分の部下にあたるプログラマが率先して

作業を進めている姿というのは,

リードプログラマとしては嬉しいものであった.


また,この段階からは,実際にゲームを作り上げる作業は,

他のプログラマ二人に任せて,

僕は,システム作りに専念することにした.

作業には段取りが存在していて,ヘタに手伝えなかったし,

実際,彼らは十二分な働きをしていて,

自分が手を貸さずとも,不安は感じなかった.

その結果,一日目と一転して作業は楽になり,

リードプログラマという役割は他と一線を画すものだと感じた.

最終日を迎えて

僕が着いたころには,すでに8割方出来上がっていた.

完成まで,システム部分の拡充と,

間に合っていない実装を引き取ったり,

初期化漏れやバグをみつけて直すような作業を行った.

そして,ギリギリまでかかったものの,無事作業を終えた.

ただ,事前に検証をしていなかったこともあって,

締め切り時間前にトラブったり,

デバッグが不十分でバグが見つかったりといったことが起こり,

こういった部分は,自分の普段の経験を活かして,

事前に予想できた部分だと思うので,

先回りして対処できなかったことは,非常に後悔の残るところである.

結論

まず,非日常を経験できたという点で良い刺激があった.

社外の活動という点では,

普段自分が自習室でやっているようなプログラミングとは違い,

今回のような,他人と影響しあえるプログラミングは楽しかった.


他に,今回参加して得られた大きなものは,

リードプログラマとしての経験である.

確かにアマチュアの制作だし,ごく少人数のチームではあったが,

チームの長として,先を見据えて,

全体の責任をもつということは非常に難しく,

また,自分のシステムを軸に実装が進む感覚や,

メンバーの頑張りをみれることは非常に面白く,

さらに,制作を通じて達成感も感じられて,非常に楽しかった.

今回の経験を通じて,自分の考え方は間違いなく変わったし,

良いタイミングでこういう経験を出来て,すごく良かった.

明日から普段の生活に戻るが,

じっくりと自分の進むべき道というものを考えていきたいと思う.