最近のアニメを観るようになって思ったこと

結論から言うと,猟奇展開や不自然な展開に非常に違和感を感じる.
一方で,アニメ作品ながら非常に一般受けの強い宮崎作品や,
「アニメを見るな」とアニメ作品を否定する富野由悠季氏の作品には,こういった不自然さを感じない.
自分の意見は,このことを根拠にしており,
根本的でシンプルな意見だと思うが,アニメに関わる人たちにもっと真剣に考えてほしいと思う.

じぶんの感じる不自然さ

猟気展開などの,いわゆる「気持ち悪い」展開について.
じぶんの観ている作品がこういった展開になると,
はっきり言って,ひどくシラける.
具体的にじぶんが遭遇した作品を挙げれば,「ひぐらしの鳴く頃に」と「エウレカセブン」である.
また,「マクロスF」も,作品自体は全編を通じて好きだったが,
初回の兵士が握りつぶされるシーンで,落ちる血の不自然な多さに少しシラけた.
(むしろ握りされることで血が出ることがおかしいと思うし,それは良いとしても,)
それまで必死に抵抗していた兵士の力が抜けきる,といった表現で十分だし,
じぶんはその方がリアルで怖いと思う.


スポーツアニメは異常にひとつのシーンが長い..
例えば,サッカーの面白さというのは,フィールドで一瞬も気を抜けない強さである.
アニメのように,必要なところで都合よく時間が遅くなってくれれば,楽なもんだ.
一瞬にもれた弱さで,チャンスを逃し,
チームメイトやサポーターの信頼を失い,はては出場機会を失うが,
一方で,強引であっても,強さを維持すればボールをとられないし,
格上相手でもゴールを決めることは不可能でなく,
そういった貪欲なプレイから多くの信頼が積まれる.

アニメはぬるい

一言でいって,現実の苦さがない.
じぶんは,その苦さを乗り切ってこそ,爽快さや感動があるのだと思う.
猟奇展開や,都合よく展開をイジれば話が楽だが,
それによって現実の苦さを避けているし,自分は「逃げたな」と思ってシラける.


じぶんは「もののけ姫」のラストは非常に美しいものであったと思う.
終盤で人間と山の神がぶつかり,
主人公がどちらとも深く関わることで,どちらも正義であることをみせており,
苦さたっぷりの盛り上がりを見せる.
そして,だいだらぼっちが圧倒的な力をみせることで,自然の脅威を示し,
また,最終的に多くを元に戻すことで,自然の母としての大きさを示す.
たたら場のエボシは,腕を失うとともに自然との共存を考える.
これらの結末はすべて,”現実”の道徳に破綻しない.
このラストの美しさは,それだけ宮崎監督が難産されたものではないかと思うのだ.