『それがぼくには楽しかったから』読了!;感想

それがぼくには楽しかったから 全世界を巻き込んだリナックス革命の真実 (小プロ・ブックス)

それがぼくには楽しかったから 全世界を巻き込んだリナックス革命の真実 (小プロ・ブックス)

■書籍紹介

Linux開発者リーナス自叙伝。
Linuxは、フィンランドの一人の大学生によって生み出され、
20世紀末、世界中のコンピュータに広がった。


■レビュー

書籍の内容は、「リーナスがLinuxをどういう経緯で開発したのか」はもちろんのこと、
「リーナスのオープンソース論」「リーナスの考える人生の目的」といったテーマのエッセイ、
そして、担当編集者との対話・交流、リーナスの家族・育った環境など。
スタイルとしては、それが担当編集者から、リーナス自身、ときおりリーナスの家族から、
といった形でパラレルに描かれる。
”ドキュメンタリー番組タッチ”と言えばわかりやすいかな。


とりあえず、”面白かった”。
まず、リーナスは普通の人だった。w
好きなことを好きなだけ没頭する、熱心な学生である。
(そういった学生が特殊といわれれば、そうなのだが)
大学生で、世界を席巻するOSを作り上げたと聞けば、
アインシュタイン以来の天才児現る!”といった様相だが、
彼は有名になってからもしばらく、アパートに家族と住み、
毎日の生活に追われ、記者からの電話にも自分で出た。
そんな飾り気のない革命家が、彼の正体である。


また、”読んでよかった”。
個人的な話に脱線するが、実は自分は、軽い内定ブルーで、
それというのは、SIやITサービスのようなIT系企業ではなく、
ゲーム企業という、比較的軟派な業界に身を投じることについてである。
しかし、リーナスのひとつの持論によって、何かモヤモヤしたものがはれ、
娯楽というものが、決して”軟派”の一言で済まされないような、
人々の生活に確固としたものに感じられた
その理由というか、言い訳のようなものが得られたのが、自分にとって大きかった。


情報系の学生はもちろんのこと、中高生の読書感想文にオススメ。